健康のためのマラソン リスクと注意点

マラソン人口の増加傾向が続く理由として、自身の健康にプラスとなるメリットに、多くの方々が期待を寄せ、ランナーデビューを果たしておられる点が見過せません。全身の筋肉を稼働させ、心拍数がアップした状態が続くマラソンは、肉体的な体力と持久力、そして諦めない精神力を鍛えられるなど、心身の健康にプラスの効果が期待される競技です。最初は街中をマイペースで走るだけだったのが、市民マラソン大会への参加など、より長距離でタイムを競う、あるいは完走を目指す目標を掲げ、走り込みにより一層熱が入る方々も少なくありません。ですがここで忘れてはならないのが、マラソンは自己管理と判断を誤ると、健康上の大きなトラブルに直結するリスクが無視できない、ハードな持続運動である事実です。

たとえば足にマッチしていないシューズで、アスファルト上を長距離走れば、足全体を痛めてしまいます。また普段はお酒好きで運動不足の方が、マラソン大会が近づいた短期間だけ、いきなりピッチを上げた走り込みを実践されれば、身体が戸惑ってしまい、身体上の深刻な不調を生じるリスクが否めません。また夏季に限らず、冬季でも汗を絞り過ぎた結果の、脱水症状を生じてしまう可能性が無視できず、適正な水分補給は四季を通じての鉄則です。

マラソンの習慣が日々の生活に馴染む頃には、次第に長い距離をより短いタイムで走ることができるようになり、嬉しさと楽しさからオーバーワークとなってしまうのも、特徴のひとつです。自身を追い込む走り込みと、本当に体調が悪い状況下、無理を押す行為を混同してはなりません。健康のためのマラソンだからこそ、常に余裕を持った距離と目標タイムを見極め、第三者にケガを負わせてしまったり、あるいは自身が負わぬよう、周囲に配慮した走り方が求められます。

マラソン